猫の扁平上皮癌記録

11歳で扁平上皮がんになった猫の事を書いています(アイコンは別の猫)。

⑧お別れ

一時的な回復から一週間程度が経ち、

再びぱったりと食べなくなった。

自ら動くことも少なくなり、見るからに痩せてしまった。

元気な時は太っているほうだったけれど、

痩せて顔周りの肉もほとんどなくなってしまい、

頭蓋骨が感じられるほどまでになってしまった。

 

動けなくなり、筋力も落ちてしまったため、

椅子にも上れなくなってしまった。

たまに上がりたそうにしている時は、抱えて上に上げた。

 

猫は死ぬときに人目につかないところで死にたがる、

とはいうけれども、うちのこの猫の場合は違って、

目立ちにくいけれど、人のそばには居れる所(テーブルの下の隅など)

にいることが増えた。

動けなくなってきているのに、

夜に人間たちが就寝準備をし始めると、

ゆっくりゆっくりと布団の近くに行き、

そばで寝る、というのはお別れの日の直前までやっていた。

 

そしてお別れの日。

ほとんど動けなくなっていたけど、

その直前ぐらいまではなんとかおトイレにも自分で行けていた。

ただその日はとうとう座ったまま粗相を大量にした。

今までそのような事がなかったため、

これはいよいよお別れなのかな、

という思いがよぎりつつ、

ペットシートを用意せねば、と

夫に猫の番を頼み、ペット用品店へと急いだ。

そして帰宅すると、夫が猫の頭を高くした状態で横たえており、

「もうだめなのかもしれない」

と言った。大きな声で鳴いたあと、苦しそうに息をし、

意識が無くなったという。

息もしていないようだし、鼓動も聞こえないようだと。

当然このような場合の確認方法の心得は無い私たちなので、

かかりつけ医に電話をしてみるかと私が言うが早いか夫は電話をかけ、

目に携帯のライトなどを当てて確認をしている。

そして電話を終えると、

「やはりだめみたい」

との事だった。

 

→⑨へつづく